悠久幻夢嵐(1)-雷の章-a rainy insilence
最後、柊が厳重に結界を施してその家を後にすると、
それぞれに車へと乗り込んだ。
助手席に座った途端に、一気に緊張が解けるのがわかる。
「疲れたか?」
「平気」
「そうかっ。
飯でも食って帰るか……」
「うん」
エンジンがスタートして、心地よい振動と共に走りだす車。
「飛翔……ボクは見届けるよ……それがボクの……」
願い……。
疲れてしまっていたボクは、
飛翔の車の中で安心したように眠りに落ちてしまった。