捨て猫にパン
「陣…」
そんなに先を行かないで。
やっと掴みかけた陣を見失ってしまう。
傍に、って。
置いてきぼりにしない、って言ったじゃない…。
こんな所で1人は嫌だよ…。
冷たい鏡の中じゃ、陣を見つけられない。
鏡の迷路。
あたしは進んでいるのか、同じ所をぐるぐる回ってるのかそれすらもわからず、膝をかかえてうずくまった。
きっと迎えに来てくれるよね?
待ってていいよね?
信じていいよ、ね…?
あたしはミラーハウスの中で1人しゃがみ込んだまま、ただ陣を待つ。
きっと来てくれる。
「真琴、ホント方向音痴なんだな」
って。
笑って手を差し伸べてくれる。
手を───………。
そんなに先を行かないで。
やっと掴みかけた陣を見失ってしまう。
傍に、って。
置いてきぼりにしない、って言ったじゃない…。
こんな所で1人は嫌だよ…。
冷たい鏡の中じゃ、陣を見つけられない。
鏡の迷路。
あたしは進んでいるのか、同じ所をぐるぐる回ってるのかそれすらもわからず、膝をかかえてうずくまった。
きっと迎えに来てくれるよね?
待ってていいよね?
信じていいよ、ね…?
あたしはミラーハウスの中で1人しゃがみ込んだまま、ただ陣を待つ。
きっと来てくれる。
「真琴、ホント方向音痴なんだな」
って。
笑って手を差し伸べてくれる。
手を───………。