捨て猫にパン
ねぇ、要さん。
臆病な猫は、ね。
この手がなくちゃ、繋がれた手がなきゃ、すぐに迷子になるの。
不安に押し潰されて泣き虫になるの。
だから、ね?
あたしを離さずにいて、ね?
「要さん…?」
「ん?」
あたしを見下ろす要さんにキスをする。
晴れた笑顔がそこにある。
痣の消えた手の甲はしっかりと繋がれて。
どこまでも高い青の空は、あたし達を祝福した。
臆病な猫は、ね。
この手がなくちゃ、繋がれた手がなきゃ、すぐに迷子になるの。
不安に押し潰されて泣き虫になるの。
だから、ね?
あたしを離さずにいて、ね?
「要さん…?」
「ん?」
あたしを見下ろす要さんにキスをする。
晴れた笑顔がそこにある。
痣の消えた手の甲はしっかりと繋がれて。
どこまでも高い青の空は、あたし達を祝福した。