捨て猫にパン
*夜中の右耳*
長めのスカートをチョイス。
ほぼスッピンに近いようなメイクだけど、いつもより丁寧に仕上げた。
ショート丈のボブも跳ねてない。
鞄の中にはケータイ、鍵、財布、タバコのお守り。
ミントの粒を一粒噛んで、気持ちをセーブ。
「…ふぅー……」
昨日、痴漢からあたしを助けてくれた倉持さん…。
車で、って。
迎えに来てくれる、って。
ホント、かな…。
ど、どうしよう…。
あの瞳を思い出すとソワソワして、1分とじっとしてられなくて。
テレビをつけたり消したり、鏡の前に何度も立ってみたり、せわしなく時計をチェック。
意味もなく眺めるスマホの時間は7:56
あと4分、8時までに来てくれなければ、今日だけタクシー使おうか、な…。
昨日の今日で、また電車に乗る気にはとてもなれない。
痴漢、と。
会えるかも…なんて、ちょっと期待しちゃったあたしの勝手な思い上がりのせいでしぼんだ気持ちのまま、朝の満員電車に乗れる気丈なメンタルなんて持ち合わせてなくて。
ほぼスッピンに近いようなメイクだけど、いつもより丁寧に仕上げた。
ショート丈のボブも跳ねてない。
鞄の中にはケータイ、鍵、財布、タバコのお守り。
ミントの粒を一粒噛んで、気持ちをセーブ。
「…ふぅー……」
昨日、痴漢からあたしを助けてくれた倉持さん…。
車で、って。
迎えに来てくれる、って。
ホント、かな…。
ど、どうしよう…。
あの瞳を思い出すとソワソワして、1分とじっとしてられなくて。
テレビをつけたり消したり、鏡の前に何度も立ってみたり、せわしなく時計をチェック。
意味もなく眺めるスマホの時間は7:56
あと4分、8時までに来てくれなければ、今日だけタクシー使おうか、な…。
昨日の今日で、また電車に乗る気にはとてもなれない。
痴漢、と。
会えるかも…なんて、ちょっと期待しちゃったあたしの勝手な思い上がりのせいでしぼんだ気持ちのまま、朝の満員電車に乗れる気丈なメンタルなんて持ち合わせてなくて。