捨て猫にパン
───………


「真琴…?」


「ん…」


「起きられる?」


「ハイ…。ん…ん…っ」


「どした?」


「あの…」


「何?」


「こ…腰が上がりません…」


「プッ…」


「主任ッ、笑わないでくださいっ」


「陣」


「あ…ハイ、陣…。立てないのは陣のせいですっ」


「プッ…。ゴメン、ゴメン。真琴、オマエどんだけイッてんだよって話」


「は、恥ずかしいこと言わないでくださいっ!」


「コンビニでも行って、って思ったんだけど。腹減っただろ?」


───ぐぅ


あたしの代わりにお腹が返事をした。


「ハハッ。いいや、俺行ってくる。何食いたい?」


「あんまんを1つ…」


「OK。俺、ちょっと行ってくるな。部屋、鍵くれよ」


「テレビの前に…」


「マジ動けねぇの?」


「覚え、ありませんか?」


「悪い、悪い。でも俺はまだ足んねぇよ?」


「明日、仕事に同行できなくてもよければ、どうぞ」


「わかったよ。じゃ、行ってくるな」


陣は寝たままのあたしにキスを残し、部屋を出て行った。
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