捨て猫にパン
「明日、真琴は直帰でいいけど、俺は店行かなきゃなんねぇな」


「じゃ、仕事終わったら、ウチ、来てください」


「遅くなるかもよ?」


「晩ご飯作って待ってるから」


「真琴のメシ…?」


「毒は盛りません」


「うまかったらどうしよう…」


「どーゆー意味っ?あたし、ご飯ぐらいちゃんと作れるもんっ」


「ハハッ。だよな。なんか、俺さ…」


「?」


「なんか真琴が隣にいて感じられる。あったかいとかさ、甘いとかさ、幸せとか、さ。一度その味覚えちまったら、もう戻れないよな」


「陣…」


「真琴、ちゃんと言わせてほしい」


「ハ、ハイ…」


「結婚を前提に俺とつき合ってほしい。俺、ちゃんと守るから。他のヤツなんか吹っ飛ぶくらい俺に夢中にさせるから。それができるかできないかわかんないとかじゃなく、やらせてほしい。俺に預けてくれないか?」


「陣…」
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