捨て猫にパン
「ついにやったかーっ!陣主任っ」


「え…。メイ先輩、知ってたんですか…?」


「当たり前じゃない。ココの支店のほとんどの人が、陣主任の長き片想いを固唾をのんで見守っていましたとも」


「何でっ!?」


「見てたらわかるよー。陣主任の真琴への態度、発情期真っ只中のオオカミさながら。気付いてないのは本人ばかり。春の本店異動蹴ったのも真琴のそばにいたいからじゃないか、って、みんな噂してたよ?」


えー…。


えー…。


そうだったんだ…。


「ね、ねっ。今日、3人で真琴ん家でお祝いしようよっ!あたしにもその幸せ分けてぇー」


「ハ、ハイ…」


「決まりっ!あたし、ケーキ買って行こっ♪」


ルンルンで着替えて更衣室を出て行くメイ先輩の後ろ姿に、なぜか小さな溜め息を隠せなかった。
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