捨て猫にパン
「…琴?真琴?」


「ん…?なぁに、陣?」


「今日は飲め。泥酔しても俺が介抱してやる」


「きゃぁっ!大人の夜のお誘い?」


「メイのバーカ。そんなんじゃねぇし」


「フフッ…。あたし、ビールやっぱり合わないみたいで。甘口のカクテル、買ってくるね」


「俺も行くよ」


「大丈夫。コンビニ、すぐそこだから」


「陣主任~!あたしも彼氏ほしーっっっ!」


すでに酔っ払いと化したメイ先輩を陣に任せて、あたしはコンビニへ。


マンゴーとかストロベリーとか甘々のカクテルを買ってアパートの前まで歩くと。


「真琴ちゃん!」


前から長身の影が見えて、あたしの忘れられない声がした。


ほんのり街灯が照らしたその人は───倉持さん…。
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