捨て猫にパン
「シャボン玉、飛んだ…屋根まで飛んだ…屋根まで飛んで…こ、わ、れ、て…消え、た…」
小さく歌ってみて、あたしは手の甲を噛む。
どうしても想いが消えそうになる、陣。
どうしても想いが募る、倉持さん。
会いたい…。
会いたいよ…。
ねぇ、どれだけ泣けばあなたに届きますか?
どれだけこの手を痛めれば、繋いでくれますか?
ねぇ…倉持さん…。
この空はあなたへとつながっているはずなのに。
夏の星座より遠いです…。
「シャボン玉、飛んだ…屋根ま、で…っ…っ…!」
「───真琴!!」
駆け寄る陣の影があたしと重なる。
抱き締められる柑橘系の香りに、あたしは悲しみしか流せない。
「…っ…っ…!陣…!陣!」
「ベッドにいないから心配した。どっか、俺の手の届かないどっかに行っちまったんじゃねぇか、って、不安で。たまらなく不安で」
ううん、違う。
届いてないのは、きっと。
きっと、あたしの方なんだよ…陣…。
小さく歌ってみて、あたしは手の甲を噛む。
どうしても想いが消えそうになる、陣。
どうしても想いが募る、倉持さん。
会いたい…。
会いたいよ…。
ねぇ、どれだけ泣けばあなたに届きますか?
どれだけこの手を痛めれば、繋いでくれますか?
ねぇ…倉持さん…。
この空はあなたへとつながっているはずなのに。
夏の星座より遠いです…。
「シャボン玉、飛んだ…屋根ま、で…っ…っ…!」
「───真琴!!」
駆け寄る陣の影があたしと重なる。
抱き締められる柑橘系の香りに、あたしは悲しみしか流せない。
「…っ…っ…!陣…!陣!」
「ベッドにいないから心配した。どっか、俺の手の届かないどっかに行っちまったんじゃねぇか、って、不安で。たまらなく不安で」
ううん、違う。
届いてないのは、きっと。
きっと、あたしの方なんだよ…陣…。