LAST SMILE
そしてあたしは見逃さなかった。
祐兎が、
冷めたような遠い目をしたことを。
この目をしている時の祐兎は、
隠し事をするとき。
きっと、
病気のことと何か関係してるんだね。
ねぇ、祐兎。
何を思っているの?
あたしには、
やっぱり言えないかな?
でも、
わかってるのに中途半端に知らないのは、
やっぱり悲しい事だよ・・・。
祐兎・・・。
あたしも押し黙ると、
祐兎は察したようにため息を漏らして口を開いた。
「お前には、話してやってもいいかな」
「え・・・?」
祐兎はそう言うと、ギターを見つめた。
「病気の話をしただろ?」
あたしはゆっくりと頷いた。
「だから、俺の人生、
どうなるか検討つくよなぁ?」
何の検討?
それって・・・
“死んじゃうかも”っていう検討?
嫌だ・・・。
そう思いながらも、
あたしは小さく頷いた。
「だからだよ」
「え?」