LAST SMILE
Blue sky
*
「あれ?麗華戻ってきたの?」
学校に着くと、クラスメートから声をかけられる。
「ねぇ、あの男子、隣町の高校の生徒だよね?」
「いいなぁ。さっすが“REI”だよね」
「ね、ね、何したの?」
あー。
うっさい。
あたしは適当に返事をしてベランダに出た。
ここから、遠くの方にあいつのいる高校がはっきりと見える。
あいつ、ほんとにムカつく。
ていうか、
あたしも何うっかりOKなんて出してんだよ。
でも仕方なかった。
あそこで、OKせざるを得なかった。
だって、あの少し蒼っぽい瞳で見つめられていたら、
何故か吸い込まれそうになって、
気付いたら・・・。
「こら!藤堂!さっきのは一体なんだ!?」
気付くと担任があたしの後ろに立っていた。
みんなは野次馬のように周りを囲んで遠巻きに見ている。
見てないで助けてよ。
弁解してくれたっていいじゃん。
拉致られたって・・・。
「あー、先生。違いますよ。なんかあたしも訳わかんなくて、
勝手にあいつが入ってきてそれで―」
「いいわけするな!藤堂、職員室に来い」
「はぁ!?ちょっ!!っだから違うってば!!」
先生はあたしの言葉には耳を傾けずに、
少しイライラしながらあたしの手を引っ張った。
つか、女子高生の手を引っ張るおやじ教師って・・・。