LAST SMILE






批判する声はあがらなくなった。


みんなが静かに聞いてる。


あたしは、目を閉じて歌い続けた。




ねぇ、伝わってる?祐兎・・・。



これはあたしからの、
あなたに贈る、

精一杯のラブレターなんだよ?



曲が終わろうとしていたとき、
雪が降ってきた。




しんしんと降りしきる中、
あたしは一瞬だけ、見てしまった。




今まで以上に顔を歪めて、
手が止まってしまうあの人の姿を・・・。










曲が終って、
あたしたちは拍手喝采に包まれた。



ライブを終えて、
ステージを下りるなり、祐兎がふらついた。




ひざを地面について、荒く息を吐く。







「祐兎!?」


亜貴は、祐兎の変わりに
スタッフのもとに集まって話を聞いているから




今、祐兎のことを知っているのは
あたししかいない。




あたしは祐兎に駆け寄った。




「モッチー?どうした?」



武田くんと磯部くんも寄ってくる。



祐兎はあたしを押し返すようにして手を伸ばした。




「うっせぇ。近寄んな」





「祐兎!!病院いこう?」



「え?なんで病院?そんな悪いの?」


「REI、モッチーどうしたんだよ」



「みんな散れよ。
 大丈夫だって。ただの腹イタ・・・」









「祐兎!!!」








「黙ってろよ!!!」










しんと静まり返る。



祐兎の荒い息遣いだけが、
その空間を取り巻いていた。



なんで?



どうしてそこまで強がるの?



みんなに知られたっていいじゃない。



それで、祐兎が少しでも
楽に行動できるようになるなら




それでいいじゃない。




どうして隠すの?



どうして一人で頑張るの?




あたしは、



あたしは・・・。
















「・・・死なないで」



















「REI・・・?んな大袈裟な・・・」










「祐兎・・・。お願いだから、死なないでよぉ・・・」

















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