LAST SMILE
最初の歌
「祐・・・兎・・・・・・」
信じられない。
そこには、
シルバーの髪をした祐兎がたっていた。
後ろじゃなくて目の前に。
「なんで・・・ここ・・・」
「ばっか。心配させんな。
今あいつら探し回ってんぞ?
・・・もしもし?亜貴?
麗華発見。・・・なんだよ。いーだろ?
見つけたんだから。
・・・あーはいはい。
わかったから。しつけぇぞ!!
・・・切るからな?」
なんで、祐兎がここに?
「なんで?なんでこんなとこに
来ちゃったの?ねぇ!?」
あたしが必死にそう言うと、
祐兎は眉を上げてあたしを見た。
「あのなぁ、あいつらがお前いなくなったって
大騒ぎするから
一人で寝てらんなかったんだって!!」
「何それ・・・だってあんた・・・
あんなに苦しそうで・・・。
またそうなっちゃったらどうするのよ!?」
「大丈夫だって。
ほら、俺ここにいるだろ?」
「だって・・・」
「知ってた?俺、もう18」
祐兎がVサインを出す。
「余命なんてさ、
所詮はそうなるかもっていう予測だし。
俺はこうして18の誕生日、迎えられたし」
「そんな・・・っでも!!」
口を噤んだあたしに、祐兎は何も言わずに
そっと座って煙草をくわえた。
「煙草・・・」
「悪ぃ。今だけ、
今だけだから吸わせろよ・・・」
祐兎はそう言って、煙草に火をつけた。
煙がそっと風に揺られて、
降り積もる雪と絡み合う。
どうしよう。
この煙みたいに、
祐兎が消えてしまったら。
空に浮いてしまったら・・・。
今では、
見慣れた煙草を見るのも辛くて・・・。
あたしはそっと目を伏せた。
「あのさ、麗華」
祐兎の声がした。
「これ」
「え・・・?」