LAST SMILE




見せたくないのに、


見られたくないのに。








顔が勝手に上を向く。




涙でぐちゃぐちゃなあたしの顔を見ると、
祐兎は顔を近づけて




いつの日か、そうしてくれたように、
舌を這わせた。






なぞるように、頬に伝う涙を拭う。










「祐兎・・・」








「笑えって、言ったろ?
 また泣いてんのか?」














とめどなく、涙が溢れる。








祐兎の温もりが、あたたかくて。



これが、余命を宣告された人の
温かさだとは思えないほど、心地良くて。








あたしも、離れたくない。






怖いのはあたしも同じ。





ここで祐兎を離してしまえば、
消えてしまいそうで。








だから、















だから・・・。




















あたしはこのとき、
間違った決断をしました。










このとき、
もっとちゃんと考えればよかったのに。






















ねぇ、祐兎。


















あたしを精一杯
抱きしめてくれたあなたは



















とても、あたたかかった。




















そんなあなたの温もりが

























とても愛おしかった。


















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