LAST SMILE
ここらへんの男子はこの年になると
みんなバンドを組みたがる。
だけど、続かないグループばっかり。
あたしたちはこの学校では唯一のガールズバンド。
そこそこファンもいて、
ファンからも親しさをこめてバンドの呼び名で呼ばれている。
結構楽しかったのに、
しょうもないことでついさっき、解散しました。
・・・なんて、
あたしたちも結局そこらのバンドと一緒か。
なんか、
あたしの求めていたバンドとは、少し違った気がする・・・。
「REI、REI!!」
後ろからあたしを呼ぶ声がした。
ホラ、きたよ。来ると思ってたから。
どっちが来たんだろう・・・。
「EIKA・・・」
香枝は息を切らして走ってきた。
あたしは立ち止まった。
「ねぇ、SAYAと仲直りしよう?
うちらはこんなとこで終わっていいの!?」
「知らない。SAYAが悪いんだし。あたしには関係ないよ。
もう“Rees”じゃなくなったしね」
「REI!!そんなのREIらしくないよ!!」
「もうやめよう。香枝。この話は終わり。
“Rees”の“REI”は消えたの。
これからはこの高校の3年C組15番乙女座A型の藤堂麗華なの」
あーあ。
何言っちゃってんのあたし。
馬鹿みたい。
こんなに子供みたいな屁理屈言っちゃって・・・。