LAST SMILE
初ライブは学園祭
*
それからは、
祐兎はいつも通りのムカつく奴に逆戻り。
なんか、これでよかったのか、
イライラしてたあいつの方がましだったのか、
それはよくわからないけど。
とにかく前よりもムカつき度が増したことだけは確実。
そんなあたしたちBlue skyには、
初ライブが2日後に迫っていた。
「ねぇ、ライブって・・・。
あんたんとこの学祭ライブ!?」
「あったりまえだろ。高校生の俺らがやるには、
一番いいステージだぞ」
あたしがそう聞くと、祐兎が言った。
「それに、REIをいれて初だし、
やっぱり手近な場所がいいよね」
武田くんもそういった。
「まぁ、男子校だけど、
学祭だけは女もくるから、大丈夫だろ」
亜貴がベースをいじりながらそう付け加えた。
ふーん。
学祭ねぇ。
「あ、亜貴たちの学祭でもやるつもりだから」
「え!?うちの高校に来るの!?」
「当たり前。
少しでもステージの場数を踏んでかねぇとな」
嘘でしょ!?
うちの高校もっていうことは、
2日連続でライブってこと!?
こいつのいる男子校の学校祭は2日後。
その翌日があたしの高校の学校祭。
なんか、めまぐるしく忙しくなりそう。
「ま、練習曲は多かったけど、なんとかなりそうだな」
楽しそうに祐兎が言う。
「ねぇ、うちの学校はまずいよ」
「あ?なんで?」
あたしは聞かれて困った。
だって、彩夏とか、
Reesの元メンバーがいるもん。
絶対見られるでしょ。
「いっとくけど、Reesのメンバー気にしてんなら、
心配ないぜ?」
「え?」
祐兎がにっと口角を上げて妖しげにいった。