LAST SMILE
*
「学祭、盛り上がってるかー!?」
ステージに武田くんが一人で立ち、みんなを煽る。
特設野外ステージの前には、
全校生徒が集まっていた。
勿論、それに加えて外部の人達も・・・。
あたしはそのステージ袖でみんなとスタンバイする。
「はぁ。緊張する・・・」
「またやっとくか?」
亜貴が心配そうにあたしの顔を覗き込んだ。
「貸せ。俺がやる」
「え?」
亜貴があたしに魔法のおまじないをしかけたとき、
そんな声が降ってきた。
見ると、祐兎が怖い顔をして立っていて、
その瞬間・・・。
「いったぁ!!ちょっ、何すんのよ!!」
「や。あまりにもデコ広すぎだから、つい」
絶対嘘。
初めから確信犯だよこいつ・・・。
信じらんない!!
祐兎はあたしのデコを思い切り弾いていた。
ひりひりするおでこを押さえて、
涙目で祐兎を睨みつける。
「はは。まあ、
モッチーのおかげで緊張ふきとんだんじゃね?」
亜貴が苦笑する。
もう。
なんで亜貴まで・・・。
そんなふうにじゃれていると。
武田くんから合図がきたみたいで、
あたしたちは顔を見合わせた。
「んじゃ、たけしいねぇけど円陣組んどくか?」
祐兎がそう言うと、あたしたちは輪になった。
「おし。ReesのREI奪還作戦開始!!」
「え?ちょっ・・・なにそれ・・・!?」
「「おー!!」」
はぁ!?