LAST SMILE








「お疲れ~!」




校門前で、あたしたちはハイタッチした。


見事、ライブは成功。


何度も来るアンコールにも応えて、
あたしたちは大満足でそこにいた。



「お疲れ。麗華」


亜貴があたしの横に来て、そう静かに言った。


あたしがそんな亜貴を見て、
いつか亜貴がしてくれたようにVサインを出すと、
亜貴はまた苦笑し始めた。



「おい。へらへら笑ってんな。気持ち悪ぃ。
 これから打ち上げなんだから、お前も亜貴も、
 片付けちゃっちゃと終わらして来いよ!?」



気持ち悪いって・・・。



あたしは怒りたい気持ちを抑えて返事を軽くすると、
ある人の気配を感じた。


振り返ると、そこには・・・。





「・・・彩夏・・・」




かつての仲間、彩夏。



あの日、大声で“解散”と叫んだ、
あたしのRees最後の喧嘩相手。



彩夏はよくわからない表情をしていた。


何?
まだ怒ってる?


あたしがまだバンド続けててムカついた?


何か言って。
お願いだから。



彩夏・・・。




「REI・・・。Blue skyに入ったんだね。
 知らなかった」


「うん。最近だからね」



しんと静まり返る空気。


祐兎も亜貴も、武田くんも磯部くんも、
みんながあたしたちを見ていた。




「もう、Reesはいいの?」



「いいもなにも、彩夏が解散って、
 そういったんでしょ?」




何あたし、かわいくない。


どうしてこういう言い方しかできないんだろう・・・。




「そうだね。もう終わったよね?」


「うん」






「それで、Blue skyに行っちゃうんだ?」







「え?」



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