LAST SMILE
*
「お疲れ~!」
校門前で、あたしたちはハイタッチした。
見事、ライブは成功。
何度も来るアンコールにも応えて、
あたしたちは大満足でそこにいた。
「お疲れ。麗華」
亜貴があたしの横に来て、そう静かに言った。
あたしがそんな亜貴を見て、
いつか亜貴がしてくれたようにVサインを出すと、
亜貴はまた苦笑し始めた。
「おい。へらへら笑ってんな。気持ち悪ぃ。
これから打ち上げなんだから、お前も亜貴も、
片付けちゃっちゃと終わらして来いよ!?」
気持ち悪いって・・・。
あたしは怒りたい気持ちを抑えて返事を軽くすると、
ある人の気配を感じた。
振り返ると、そこには・・・。
「・・・彩夏・・・」
かつての仲間、彩夏。
あの日、大声で“解散”と叫んだ、
あたしのRees最後の喧嘩相手。
彩夏はよくわからない表情をしていた。
何?
まだ怒ってる?
あたしがまだバンド続けててムカついた?
何か言って。
お願いだから。
彩夏・・・。
「REI・・・。Blue skyに入ったんだね。
知らなかった」
「うん。最近だからね」
しんと静まり返る空気。
祐兎も亜貴も、武田くんも磯部くんも、
みんながあたしたちを見ていた。
「もう、Reesはいいの?」
「いいもなにも、彩夏が解散って、
そういったんでしょ?」
何あたし、かわいくない。
どうしてこういう言い方しかできないんだろう・・・。
「そうだね。もう終わったよね?」
「うん」
「それで、Blue skyに行っちゃうんだ?」
「え?」