LAST SMILE
校舎を出て、電車を乗り継ぐ。
そいつはあたしの分の切符も素早く用意した。
何こいつ。
ほんとに、あたしはどこに連れてかれるの!?
「え!?ちょ・・・!!ストップ!!ここって・・・」
着いた先は信じられない場所だった。
「男子校じゃん!!」
*
珍しそうにあたしをジロジロと見る視線。
冷やかしと思われる言葉。
気持ち悪い下品な笑い声。
なんだろなぁ。
なんでこんなことに・・・。
「おっ。モッチー、彼女?」
校舎内に入ると、
廊下で話しかけてくる男はみんなそういった。
“モッチー”ってこいつのこと!?
はっ。
こいつには似合わない可愛いあだ名だこと。
てか、一緒に歩くだけで彼女?笑わせないでよ。
ていうか、
こんなに強引に手を引っ張る彼氏、お断りだっつの!!
そいつは何も言わずに、怖い顔でどんどん歩いていく。
しばらくすると、一つの教室の前で止まった。
「もう!あんたなんなの!?こんなとこに連れてきて一体―」
あたしが言い終わらないうちに、そいつは勢い良くドアを開けた。
そこには、
「え・・・?」