LAST SMILE







「んーじゃ、ライブ成功を祝って・・・」


「「「「かんぱーい!」」」」







「乾杯・・・」


カラオケボックスで、
あたしたち5人はジュースを持って乾杯していた。


武田くんがコーラ、亜貴はアイスコーヒー。
磯部くんはメロンソーダ。あたしがネクター。


そんでもって、祐兎が・・・




「水・・・おいしいの?」


「あ?」




祐兎はいつだって水。


水以外に飲んでるとこ、見たことない。


そんなにおいしいもの?水って・・・。



「ばーか。水なめんなよ?水様は最強なんだぞ」


祐兎が自慢げにそういって、水を飲み干した。


「なんでよ。水なんておいしくないし」


「ジュースは金がかかる。
 亜貴の飲んでるアイスコーヒーなんか
 ジュースより高い!!」


急に、指を指してそういい始める祐兎。


何?


訳わかんないけど・・・。


「それに比べて水は、何杯飲んでもタダ!!すごくね?
 ・・・あれ?なんだよ。そんな顔すんなって」



こいつ・・・。
そこそんなに重要?



意地汚いっていうかなんていうか・・・。



「おい、反省会の前に歌うなって」


隣で亜貴が、武田くんと磯部くんにそう促す。



なんか、和んじゃうなぁ。このメンバー。


もう随分前からの仲間みたい・・・。


「あ?お前が気持ち悪ぃのじゃないもの飲んでる」


「気持ち悪いのって・・・チョコミントの話してる?」


「まっずいわぁ。あれ」


「あんたこそ、チョコミント様なめないでくれる?」


睨みあうあたしたち。


亜貴がそれを見つけてため息をついた。



「お前らもさ、仲いいんだか悪ぃんだか・・・」


「亜貴!こいつに言ってやってよ!!」


「はぁ?なぁ、亜貴。亜貴は俺派だよな!?」






“俺派”って・・・。


何よそれ。


ガキみたい。


亜貴は考え込んだ。



ちょっと!亜貴、
そんなガキの発想に付き合わなくてもいいのに!



「ん~。俺はどっちかってーと、麗華かな?」


亜貴はそういって苦笑した。




え?


亜貴?




それはどういう意味?




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