LAST SMILE
*
「んーじゃ、ライブ成功を祝って・・・」
「「「「かんぱーい!」」」」
「乾杯・・・」
カラオケボックスで、
あたしたち5人はジュースを持って乾杯していた。
武田くんがコーラ、亜貴はアイスコーヒー。
磯部くんはメロンソーダ。あたしがネクター。
そんでもって、祐兎が・・・
「水・・・おいしいの?」
「あ?」
祐兎はいつだって水。
水以外に飲んでるとこ、見たことない。
そんなにおいしいもの?水って・・・。
「ばーか。水なめんなよ?水様は最強なんだぞ」
祐兎が自慢げにそういって、水を飲み干した。
「なんでよ。水なんておいしくないし」
「ジュースは金がかかる。
亜貴の飲んでるアイスコーヒーなんか
ジュースより高い!!」
急に、指を指してそういい始める祐兎。
何?
訳わかんないけど・・・。
「それに比べて水は、何杯飲んでもタダ!!すごくね?
・・・あれ?なんだよ。そんな顔すんなって」
こいつ・・・。
そこそんなに重要?
意地汚いっていうかなんていうか・・・。
「おい、反省会の前に歌うなって」
隣で亜貴が、武田くんと磯部くんにそう促す。
なんか、和んじゃうなぁ。このメンバー。
もう随分前からの仲間みたい・・・。
「あ?お前が気持ち悪ぃのじゃないもの飲んでる」
「気持ち悪いのって・・・チョコミントの話してる?」
「まっずいわぁ。あれ」
「あんたこそ、チョコミント様なめないでくれる?」
睨みあうあたしたち。
亜貴がそれを見つけてため息をついた。
「お前らもさ、仲いいんだか悪ぃんだか・・・」
「亜貴!こいつに言ってやってよ!!」
「はぁ?なぁ、亜貴。亜貴は俺派だよな!?」
“俺派”って・・・。
何よそれ。
ガキみたい。
亜貴は考え込んだ。
ちょっと!亜貴、
そんなガキの発想に付き合わなくてもいいのに!
「ん~。俺はどっちかってーと、麗華かな?」
亜貴はそういって苦笑した。
え?
亜貴?
それはどういう意味?