LAST SMILE
「何だよ。お前まで・・・って、何?
何赤くなってんの?」
「へ?」
祐兎に言われて、慌てて顔を抑える。
あたし・・・。
ほっぺが熱い・・・。
「麗華?熱ある?」
「う、ううん!!ちょっと、
ライブの疲れがきたかな~なんて・・・」
「大丈夫か?まぁ、頑張ったもんな?」
亜貴・・・。
優しくしないで・・・。
あたしなんかに構わないで?
お願い。
そうじゃないと、
あたし、亜貴のこと・・・。
「おーい!!聞いてんのか?ばーか!!」
「いったあぁ!!何すんのよ!!!馬鹿!!」
急におでこを弾かれて、あたしは目を瞑った。
「お前が変な顔してっからだろ!?てか、悪ぃ。
俺、ちょっとトイレ!!」
「は?乙女の前でそんな宣言しないでよ!!」
「だーかーらー、どこにそんなのいるんだよ」
「あ!ちょっと、待ちなさいよ!!」
「あいつ、煙草だな」
「え?トイレなんじゃ・・・」
「や、煙草だよ。あいつは・・・」
亜貴が遠くを見るように呟いた。
「ねぇ、亜貴」
「ん?」
「・・・ちょっと、話さない??」
あたしは小さな声でそういった。
亜貴はそんなあたしを
びっくりしたように眉間にしわをよせて見つめた。
だけど、すぐに苦笑して、
「こっち」
そういって、
亜貴はあたしの手を引いて、部屋を出た。
磯部くんと武田くんに気付かれないように。