LAST SMILE















あの日、お兄ちゃんは悲しそうな顔をしていた。



それからしばらくは、
お兄ちゃんとの会話はなくて、



1週間が過ぎたとき、教室にお兄ちゃんが来た。






『お兄ぃ・・・ちゃん?』



『麗華・・・』




お兄ちゃんはあの日と変わらない、
悲しそうな顔をして、




それでも困ったように、辛そうに笑ったんだ。




そして、
あたしの頭に手をのせて、笑うんだ。











『大丈夫。お兄ちゃんが、ついてるから』












その日の夜中、
お兄ちゃんは病院に運ばれた。



瀕死の状態で、目を覚まさなかった、
傷だらけで、血まみれのお兄ちゃん。




あたしが呼びかけたとき、一度だけ、
ほんの少し目を開けて、苦しそうに笑った。



あたしの左手を優しく握って・・・。




















日付が変わるその瞬間に、お兄ちゃんは、死んだ












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