LAST SMILE
*
「あー。そこ、だから右だって!!」
「うっせぇな!俺が左だっつったら左で正解なんだよ」
「・・・何してんの?」
次の日の放課後。
あたしがいつもより遅れてスタジオに行くと、
武田くん、磯部くん、祐兎の3人で
ゲームを囲んでもめていた。
亜貴がスタジオの隅でベースをいじっている。
「あ、REI。お疲れー」
「モッチー、違うんスよ。そこは絶対右なんスよ」
「だから!左なんだって。
おい、祥吾。うるせぇから黙ってろ」
「麗華、お疲れ」
亜貴があたしに気付いて静かに笑った。
「ねぇ、亜貴。このおばかさんたちは
一体何をして盛り上がってんの?」
「ああ、ゲームだよ。
ダンジョンクリアが出来なくて、
試行錯誤してんだとさ」
ははーん。
ゲーム、ね。
そう。
「って、何でゲームなんてしてんのよ!!」
「ああ?お前が遅いからだろーが」
祐兎が起き上がってそういった。
こいつ・・・。
昨日はなんかやけに真面目だったから、
少しは見直したのに、いつになくムカつく・・・!!
「昨日の“サンキュ”はなんだったのよ」
あたしがそう言うと、
武田くん、磯部くんの2人が突然ニタッと笑った。