LAST SMILE



祐兎が黙った。


なんで?


どうして助けに来てくれたの?


あたし、誰にも連絡できなかったし、
声も上げられなかったから

助けも呼べなかったのに・・・。





「当たり前じゃん。・・・仲間だし」


「え・・・?」


「いーから。黙って乗っかってろよ」




いつも、こうだ。


あの日、出逢った時もこいつは、
ぶっきらぼうにそういった。






“黙ってついて来いよ”







最初はムカついたけど、
不思議と今のはムカつかなかった。



妙にその大きな背中が心地良くて、眠くなった。



















・・・・・・・・・・・・・・・・・・




ここはどこ?




夢・・・?




白い空間で、あたしは立っていた。




その先には、祐兎が立っていて―








『祐兎?何してるの?早く行こうよ』




あたしは手を振ってそういった。


だけど、
祐兎は悲しそうな顔をして動かなかった。











『―――』




何?


聞こえない。



もう1回言って?



何ていったの!?




祐兎、







祐兎!!









・・・・・・・・・・・・・・・・・・







< 88 / 173 >

この作品をシェア

pagetop