Wednesday ☂
「おい、安達?」
…や、いやいや…どうしよう。
返事を求める東麻くんの声は朝の親切な声とまるで違って。
私は彼らのほうを見ることが精一杯だった。
「…いい加減にしてくれる?困ってんの分かれよ。
こんなとこで言ったら安達に迷惑掛かるだけだろ?」
「……、あぁ?別にお前に関係ねぇだろ?」
「あるよ。安達は俺にとって「はい、ストップ!!」
誰も入ることの出来なかった2人の会話を止めたのは、有村くんの声。
「なになに、もう喧嘩はやめようぜ!
由紀ちゃんも恭一も…落ちつい「なに?お前、阿呆みたいな髪だな。」
「まず喧嘩してないから。帰れ秋斗。」
「え、やだ。怖い。
なんで俺がいじめられてんの?理不尽!」
「あんた呼んだんが間違いだったわ…」
そうやってふざけながらも、空気を和ませてくれた有村くんが来たのは
どうやら華凛のおかげ…なのかな。
由紀ちゃんと東麻くんの口論も一旦は収まったみたい…
よかった…
「安達、アドレスと番号。
適当に聞いとくから返事考えといて。」
「…あ、えっ…と…ハイ…」
じゃあ、とそのまま教室を去る東麻くんに
残された5組の教室は誰もがぽかんと口を開いた。
固まったように動かないクラスメイトに耐えられなくなった私は、
沈んだ顔をしている由紀ちゃんに駆け寄る。