Wednesday ☂
「沙綾!なんかあったらすぐLINEするって約束して!」
由紀ちゃんのことも東麻のことも全部ね!と騒がしく帰った華凛。
…やっぱり、なにかあるよね。今日。
こんな日に限って掃除当番だし…、
由紀ちゃんが来る前に終わらせなきゃ。
由紀ちゃんはまだ来てない。
今のうちにゴミ捨て行って帰る用意もしとこう…
私は外にあるゴミ捨て場に行くために傘を持って校舎を出た。
雨が地面に強く叩きつけられる。
うるさいぐらいに大きな雨音のせいで
周りの音がぼやけている中、
♪ポキポキという私の設定したLINEの通知音が響いた。
〈あたらしい友達 1件〉
東麻くん、だ。
すぐに通知音が鳴るとトーク画面が自動的に開く。
あ…既読、つけちゃった。
どうしよう…。
[ まだ学校? ]既読
あ、よかっ…いや…良くはないよね。
返事考えといて、って東麻くん言ってたし…
[ 学校で ]既読
[ す ]既読
何故かすごく緊張してミスばかり。
意識してるの丸分かりだよ…もう…
[ そっか ]既読
[ 今日のこと、謝ろうって ]既読
[ 思って ]既読
[ ごめんな ]既読
[ さい ]既読
[ ( p′︵‵。) ]既読
まさかの内容に思わずその場で笑ってしまう。
画面の文字からほんとは凄くいい人なのが伝わって。
きっと私が怖がらないように慣れてない顔文字を使ってくれたの、かな…?