Wednesday ☂
[ 私こそ、ごめんね ]既読
[ ( p′︵‵。) ]既読
[ 俺の顔文字真似すんなバカ ]既読
[ とにかく、またちゃんと話す ]既読
[ ありがとう。東麻くん。 ]既読
[ 東麻くんやめろ ]既読
[ 恭一でいいから、 ]既読
[ 俺も沙綾って ]
[ 呼びたい ]
次の通知音が鳴る前に、
耳元で優しい声が響いた。
そしてそれと同時に後ろから抱き締められる私の身体。
いきなりの衝撃に手に持った傘が落ちた。
「…安達の馬鹿、探した。
いないかと思った…やっぱり俺のこと嫌なのかって…」
だけど怖くはなくて…
振り向かなくても、誰かなんて分かるから。
「……ゆ、きちゃん。」
「ちゃんと、言わなきゃいけないことがある…から。」
「う、ん…」
「ごめん、俺のせいで…濡れちゃったな。」
傘を持たない2人は雨に濡れて、
きっと誰かが見れば可笑しな…不思議な光景。
「大丈夫だけど…
由紀ちゃん、また風邪引いちゃうよ…?」
あれ、なんで私…こんなに冷静に話せてるんだろう。
今…由紀ちゃんに、抱き締められてるのに。
びしょびしょに濡れた髪に身体が冷えていくのに、
後ろから伝わる由紀ちゃんの体温がそれを忘れさせるぐらいに暖かい…。