Wednesday ☂
「あ、由紀。聞いちゃってた?
あんたがあんまりにも可愛い子連れて来るから、ついね。」
「あーもう!姉ちゃんどっか行けって、邪魔!」
「言われなくても行きますよ〜
じゃあゆっくりしていってねっ、彼女予定ちゃん!」
表情の1つ1つがそっくりな二人の会話に笑っていた私に
お姉さんが冗談っぽく言って部屋を去っていく。
……彼女、予定って。
「…あの人ほんと馬鹿だから気にしないでいいから!」
はい、タオル…と手渡す彼にお礼を言うと、由紀ちゃんは話しを続けた。
「俺、彼女いたことないし…たぶん安達が来て嬉しいんだと思う。」
「そ、れ…ほんと?」
「なんでこんな暴露みたいな嘘つくんだよ、」
「私が言うのもなんだけど…
由紀ちゃん、かっこいいし優しいし…一緒にいて楽しいし…」
彼女いっぱい居たんだと思ってた。
私がそう言い終わると 目の前で赤くなっている彼がいて、
はじめて自分が凄いことを言ったと気付く。
「やっ、いや…今のは……本音が、っじゃなくて!」
私、何言ってんだろう…
話せば話すほど空回りしていく。
「…う、れしいよ。ありがと。」
でも俺なんか全然、と笑う由紀ちゃんにやっと気持ちが落ち着いてきた。
「……恥ずかしいな、」
「…う、ん。恥ずかしいね。」
お互いに耳まで赤くなっている状況がおかしくなって、ぷっと吹き出す。