Wednesday ☂
それから由紀ちゃんがココアを出してくれて
昨日見たTVの話とか有村くんの話とか、気付けばさっきの出来事がなかったかのように自然に会話していた。
「あ!…今日、生物の課題出てたんだった…今の範囲やばいんだよなぁ、」
「生物なら私のクラス、昨日提出したから内容分かるよ?」
「ほんと?
ちょっと教えてほしい…いい?」
私が由紀ちゃんに出来ることなんて珍しくて、それが嬉しかった。
少しでも、いつも助けてもらってる彼の力になりたいし…
そんなこんなで時計を見ればもう8時。
由紀ちゃんの課題が終わったところで、私は帰る支度をする。
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外に出ると、もう雨は止んでいた。
「ありがと、課題ほんと助かったよ。」
「ううん!こんなことで良かったら、いつでも言って?」
「マジか、じゃあ家庭教師でもしてもらおっかな。」
「いやいや由紀ちゃんのほうが頭良いから、私がしてもらいたい方!」
じゃあまた勉強会しよっか、と思いついたように言う彼を見上げて
あからさまにドキっとしてしまう。
なんで、由紀ちゃんは
私なんかを好きになってくれたんだろう…
人気者で誰にでも優しい彼は
かっこよくてスポーツも勉強も、人より優れていて。
…私を好きになる理由なんて思い付けもしない。
「安達?どした?」
「へっ…いや…な、なんでもないよ!
あ、ここからすぐだから1人で大丈夫だよ!」
「んー…送ってっちゃ駄目かな?」
「え…?」