Wednesday ☂

先に職員室に寄らなきゃいけないらしくて、
恭一くんが慣れたように扉を開ける。すると、すぐに飛んできたのは体育の先生からの怒声。

「東麻!!お前またサボりやがって!」
「いや、もう明日からは毎日朝から来るわ。」
「は?…お前が、か?
というか…安達?お前どうした?」
「ち、遅刻しました。」
「いや…なんで東麻と一緒に「俺が無理矢理連れだしただけ。
なぁ、センセ。沙綾はなんも悪くないから。」

恭一くんの言葉に悩みながらも先生は短くため息をついた。

「…今回だけ、なんとか安達の遅刻は誤魔化せるように言ってみる。
その代わり、東麻。お前さっきの言葉忘れんなよ。」

早く教室行け、と言う先生の言葉は少し嬉しそうだった。

やっぱり、恭一くんはやんちゃだったのかな…
あの様子だと先生ともよく口論があったらしいし…

…由紀ちゃんと、喧嘩にならないよね?






近付くにつれてどんどん不安は大きくなる、

そしてついに着いてしまった教室。

恭一くんは1つ前の教室に迷うことなく入っていった。

だけど

その瞬間にガタガタッと椅子が動く音が聞こえて、…有村くんの声がする。

「落ちつけ由紀ッ!!座れ!!」

え…?由紀ちゃん…?

「ふざけんなッ!!
東麻!お前安達になにしたんだよ!!」

教室から聞こえる声は、
いつもの優しい由紀ちゃんの声なんかじゃない。

< 31 / 71 >

この作品をシェア

pagetop