Wednesday ☂


嘘、…
…こんなに酷くなるなんて、想像もしてなかった…

「なんもしてねぇっつーの。
今、授業中。静かにしたほうがいーと思うけど?」
「…ッ安達は「一緒に来たけど?」

教室からは先生の声すらしなくて、
2人の声が廊下まで響く。

…ど、うしよう。
もう、自分のクラスに戻るどころじゃないよ…

その瞬間、教室の扉が勢いを立てて開いた。

「っ…安達!」
「あ…っ…、ちがっ…えっ?」

私を見つけた由紀ちゃんは、
話を聞く余裕もないように強く身体を抱き締める。

「…ッゆ、由紀ちゃん…!」

開けっ放しな扉から覗くように様子を見る4組の人達。

「…っそんなんだから、すぐ手出されんだよ!
今もまた…簡単に俺に抱き締められてんだろ!馬鹿!」

「へっ……あ、ご…ごめ…んなさい…。」
「俺に謝ってほしいんじゃない!!
そうやって…っ…また、…もう…」
「…由紀ちゃ、ん…?」

…私、やっぱり駄目だ。

色んな人に迷惑かけてるよ…

「ゆ、ゆきー…?沙綾ちゃん…?
…あの。一応、授業中なんですけど?」

「あっ…
…っ…ま、また休み時間に…来るから…ごめんなさいっ!!」

有村くんの声に由紀ちゃんの腕から離れた私は急いで教室を後にした。

……もう、なんて言っていいのかもわかんないよ…

由紀ちゃんにも、恭一くんにも。
ちゃんと、答えを出さなきゃいけないのに…
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