Wednesday ☂
まだ昼休みになってまもないから、
人通りの少ない渡り廊下。
先輩は直ぐに私を睨むようにして口を開いた。
「あんたさ、どういうつもり?」
「…どういうつもりって、
…いきなり言われても「分かってるくせに純情ぶらなくていーから。」
……なんなの、ほんと。
もしかして、恭一くんの…?
外見で判断するのは好きじゃないけど、少し繋がりがありそう…
今日私が出掛けてたことを知って話をしにきた、とか?
…って、私どこまで性格悪いんだろ。
「…恭一くんのことですか?」
「はぁ?あんたの本命、東麻クンだったの?」
なーんだ、と拍子抜けしたように彼女はせっかくの大きな目を細めて笑う。
「あたしが怒ってたのはさ
あんたが由紀をたぶらかしたまま、違う男と出掛けたからだよ。」
「たぶらかすって…」
「由紀に告白されたんでしょ?
まだ返事もなしに他の男と遊んで、いい身分だね?」
…そっか、
先輩は由紀ちゃんのことが好きなんだ…
「あの。…私まだ「決めてない?ふざけんのも大概にしたら?」
ぐっと図星をつかれて黙り込んでしまう
弱い自分に腹が立って、
同時に彼女の言葉が胸に刺さる…
私が泣く意味なんてない。
なのに。
「由紀のこと好きな子が多いぐらい知ってんでしょ。
安達サンが中途半端なせいで傷付いてる子、いっぱいいんだよ?」
…もう、なにも言えなくなった
その通り、だよ。
先輩は…間違ったこと1つも言ってない……
「…ごめんな、さい……」
弱い。
弱いだけの自分が情けない。
「…私、ちゃんと考えて、返事して、はっきりさせますから!
…色んな子を傷付けて、すいませんでした…!」