Wednesday ☂

帰り道。
由紀ちゃんと2人で並んで歩くのも、日常的になってきた。

それでもまだ手を繋ぐのも照れてしまう。

そんなわたしだからかは分からないけど、
由紀ちゃんも普段は友達だったときと同じように接してくれる。

それを良いと思わない人もいるだろうけど、一緒にいるだけで気持ちは満たされてた。

もちろん由紀ちゃんが…し、したい…なら別だって思ってるけど…


「沙綾?どうした?顔赤い。」

「っへ…な、なんでもないよ!」


彼に顔を覗きこまれると、
どくんどくんと心臓が早くなる。

こんなことで照れてちゃ、駄目だよね…

もう高2なんだし…普通はキスとか……ッ…キス!?


「なに考えてんのわたしは…!」

「ぷっ、」

「ななな、なんで笑うの!?」

「だって沙綾がいきなり叫ぶから」

笑い出す由紀ちゃんに
いつの間にか声にしてた自分を恨む。

「で、なに考えてたの?」

「……そ…それは…内緒。」

「えー俺に言えないことってなに?
んなこと言われたら今日悩んで寝れないよ俺?」

「…ちゃんと寝てください。」

「じゃあ教えて?なに考えた?」


今日の彼は、いつもよりちょっとだけ意地悪。

でも…いつかは言わなきゃいけない話、だもんね。

始業式って新しい感じだし、
…ちょうど良いタイミングかもしれない。

わたしにすれば勇気がいる言葉を前に
すぅと深呼吸して由紀ちゃんに向き合った。


< 49 / 71 >

この作品をシェア

pagetop