Wednesday ☂
帰り道。
由紀ちゃんと2人で並んで歩くのも、日常的になってきた。
それでもまだ手を繋ぐのも照れてしまう。
そんなわたしだからかは分からないけど、
由紀ちゃんも普段は友達だったときと同じように接してくれる。
それを良いと思わない人もいるだろうけど、一緒にいるだけで気持ちは満たされてた。
もちろん由紀ちゃんが…し、したい…なら別だって思ってるけど…
「沙綾?どうした?顔赤い。」
「っへ…な、なんでもないよ!」
彼に顔を覗きこまれると、
どくんどくんと心臓が早くなる。
こんなことで照れてちゃ、駄目だよね…
もう高2なんだし…普通はキスとか……ッ…キス!?
「なに考えてんのわたしは…!」
「ぷっ、」
「ななな、なんで笑うの!?」
「だって沙綾がいきなり叫ぶから」
笑い出す由紀ちゃんに
いつの間にか声にしてた自分を恨む。
「で、なに考えてたの?」
「……そ…それは…内緒。」
「えー俺に言えないことってなに?
んなこと言われたら今日悩んで寝れないよ俺?」
「…ちゃんと寝てください。」
「じゃあ教えて?なに考えた?」
今日の彼は、いつもよりちょっとだけ意地悪。
でも…いつかは言わなきゃいけない話、だもんね。
始業式って新しい感じだし、
…ちょうど良いタイミングかもしれない。
わたしにすれば勇気がいる言葉を前に
すぅと深呼吸して由紀ちゃんに向き合った。