Wednesday ☂
朝 5:30
普段より1時間以上の早起きは、少しだけしんどいけど
由紀ちゃんのためだから頑張ろうって思えた。
…お弁当、喜んでくれるといいな。
少しでもテストの気晴らしになれたら嬉しい。
「……よし、完成。」
使ってなかった青のお弁当箱に詰めていく作業が、
…なんだか大人になった気分というか…結婚したみたい。
由紀ちゃんが旦那さんで…
毎日朝はお弁当つくって…
いってらっしゃいって見送って…
「…ッ…な、なに…考えてるんだろ…!」
朝から妄想に浸る自分が自分で恥ずかしくなって、急いで制服に着替えた。
・
・
「おはようマロンくん!」
「あぁ…今日は早いな。」
「っ実はね、今日ね…由紀ちゃんにお弁当作ってきたの!
…だから、早起きで…」
「成る程な…橘も喜ぶだろ、泣いて。」
「ほんとに!?」
隣で頷くマロンくんにありがとう!と感動しながらも、
とにかく今はテストのために単語帳を開いた。
…
……
「偉いな、朝から。」
「…あ、っおはよう由紀ちゃん!」
「ん、おはよ。」
まだ眠たそうにあくびをする由紀ちゃんは、きっと昨日も遅くまで教科書と戦ってたはず…!
「由紀ちゃん!今日ね」 「沙綾、今日さ」
お互いハモってしまった言葉に、先にどうぞ!と一旦引いてみる。
「じゃ、俺から。
今日沙綾の好きなメロンパン買ってきたから、一緒に食べよう?」
「えっ……メ、メロンパン…?」
…いつも、わたしも由紀ちゃんも購買派なのが裏目に出てしまった。
「ほら、テストに向けて食わないと頭入んないし
…いっぱい買ってきた!」
さっきわたしのお弁当話を聞かされていたマロンくんが
由紀ちゃんの言葉にどさっと机に倒れる。
…メロンパン…嬉しい…嬉しいよ…
けど、すごいタイミングだよ…!