Wednesday ☂

そのぐらいの頃からクラスメイトから話したことのない子、
とにかく色んな人に由紀ちゃんとの関係を聞かれるようになった。

きっと迷惑だろうし噂のせいで由紀ちゃんのことが好きな女の子が傷付くのも嫌だったから、
とにかくただの友達を主張してなんとなく彼との間に距離を置いた。

習慣になっていた図書室での勉強も自然となくなって。

…それは やっぱり寂しかったのかもしれない。

「最近、由紀と話してなくない?喧嘩でもした?」
「全然っ、なんにもないよ。」
「…そう?ならいいけど。
なんか由紀、元気ないから沙綾が原因かなって。」

ていうか昨日から学校来てないし、と心配そうに呟くと
華凛は細くて長い脚を組み替えた。

「へ?私が風邪うつしたってこと?」
「そうだ、あんた馬鹿だった。
馬鹿の上に鈍感で「悪口だよそれ、目の前にいる人に向かって悪口はえぐい。」
「陰口よりはマシでしょうが。」

なんとなくいつも通りの会話になり始めて安心していると、
思いついたみたいに華凛の顔が晴れる。

「沙綾!今日の放課後暇でしょ?」
「えっ、なに?予定はないけど…」
「決まり。由紀ん家行ってきて、お見舞いに!」

口出しする暇を与えずに大雑把に家の場所を教える彼女の話を
内容を理解出来ないまま聞くことしか出来なかった。

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