春恋~春来い~
「まだ肌寒いね」









「うん」







ハルくんと二人きりは初めてで、喋りづらい…
蒼太がいるおかげであの空気が成り立っているのか…










「ねぇ、蒼太の事、どう思ってる?」









「蒼太…、なんか素は本当はふざけたキャラじゃなくて、優しいんじゃないかな」









「そう思ったか…」










ん?ハルくんはどう思ってるの?











「アイツ、中3の時、彼女出来たんだよ。どっちが告ったのかは知らねぇけど、彼女が言うには、怖かったって…
だから、俺、思ったんだ…まだ俺の知らない蒼太がいるって。ただ単に俺がそう思ってるだけかもしれないけどさ…」












ハルくんは蒼太の事そんな風に思ってたのか…
でも、蒼太に他の顔があるのは確かかも…
彼を怖いと思った事は一度もない。











「ま、今のは気にしないで。ほらもう着くし。」









そうして私達は書店へ入った。
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