春恋~春来い~
くるみちゃんはびっくりしてこっちを見た。私を見た後、後ろにいたハルくんを見て、頬が赤く染まった。











その時、分かった。くるみちゃんはハルくんの事が好きなんだという事が。










「は、春南ちゃん、どうして…」











「あ、あぁ、今ね、私と和葉とハルくんと蒼太で四人でテスト勉強してるの。で、問題集買いに来た所なんだ」










「そっか…」











くるみちゃんの足元にはカゴが置いてあって、文庫本が沢山入っていた。うわぁ、私、こんな量読めないな…やっぱりくるみちゃんは凄いな~












「あ、これ…」










ハルくんがカゴの中を見て一冊の本を手にとった。













「俺、この本好きだよ」












「わ、私もです!」









くるみちゃんはとても嬉しそうだ。私はなぜか胸にチクリと何かが刺さった気持ちになった。











「…ルちゃーん」












ハッ!!私、何考えてんだよ…




「あっ、ごめん…」



< 20 / 89 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop