春恋~春来い~
あのまま、寝てしまったのだろう…










鏡を見ると目の回りが赤い。どうしよ、こんな顔じゃ学校に行けない…










「よぉ」










振り向くと夏輝がいた。何か言うんだろうな。私は、その時何と言われても良いと覚悟した。










「お前、あの電話のヤツ好きになったんだろ?」












「夏輝には関係ない…」










「頑張れよ。」










「え…?」









何で?あのクソ兄が…?聞き間違え?











「聞こえなかったのか?お前の初恋だろ?貴重なモンだから、大切にしろな。」









私の頭の上にポンっとゲームをやりこんだ手を乗せると鏡の中の兄はニコッと笑って洗面所を出ていった。
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