春恋～春来い～

人に好きって言われるのって嫌じゃない…
むしろ嬉しいかも…
初めてだよ、こんな気持ち。
偽物だけどこれが私の初めての『付き合う』って事で
蒼太が初めての彼氏。










突然、右手に違和感が…








「…な！何してんのぉぉ!?」












「何って、手、繋いでるだけじゃんか。」












平然と言うなよ…！
でも、付き合って、手繋ぐのなんか、普通だよね…
男の人と手、繋ぐなんて初めてだよ～…










「嫌…だった？」










「あ、いやっ、そのさっ、手、繋ぐなんて普通の事なんだけど…
きゅ、急にやるからさ…びっくりしちゃった…」








「じゃあ、びっくりさせないから。手、繋ご？」










「う、うん…」











指を交差した繋ぎ方…恋人繋ぎ…
緊張し過ぎて私の手、カチンコチンだ…










「このまま、電車乗って、学校までな」












「えっ…そしたら皆に分かっちゃうじゃん！」










「分かっても良いじゃんか。俺ら付き合ってんだろ？」











「そ、そうだけどさぁ…」











恥ずかしいよ～
でも恥ずかしいなんて言ったらまた蒼太に…










「そうだけど？」












「…、な、何でもない!!」











そういえば…和葉…今日は和葉、来ないのかな…
ここらへんでいつも飛び出てくるんだけど…









ピロリン…










メールだ…
：ハル、今日は気を使って、一本前の電車で行きまーす。
蒼太と良い時間過ごしてね～









か、和葉ー！そこ気ぃ使わんでええーー！