マーメイドの恋[完結]
マーメイドに恋をした

今日もマーメイドが座っている。ほんとに綺麗な人だなー


倉沢雅之は、もうすっかり南木海岸のマーメイドに恋をしてしまっていた。


マーメイドは、南木海岸を見下ろすように建つ、マンションドミールに住んでいることはわかっていた。
マーメイドが、マンションの方へ帰って行く姿や、6階の部屋から海を見ている姿を目撃していたからだ。


しかし、名前は知らない。
マーメイドのことを知りたい。
倉沢は、マーメイドに話しかけるチャンスを狙っていた。
倉沢は焦っていた。


その理由は、倉沢が通っているボクシングジムに、大阪のプロを育てるジムの人が訪れた時に倉沢はスカウトされ、大阪に来てプロテストを受けないかと誘われていた。
なんとか、大阪に行く前にマーメイドに好きだという気持ちを、打ち明けておきたかったのだ。


しかし、何度もみかけているマーメイドに声をかける勇気がなかなか出なかった。


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