マーメイドの恋[完結]
どうすればいいのかわからないまま、日にちだけが過ぎていった。
マサが勤めていた老人ホームの人に聞いてみようか、それともボクシングジムの人に……。
いろいろ考えたが、マサのいる大阪へ直接行って確かめる方がいいと夏子は思った。
大阪のマサの住んでいるアパートの住所は聞いているし、そこにいなければ、ボクシングジムの方へ行こうと考えていた。
夏子は、水曜日の他に木曜日に1日休みをもらい、新幹線に乗って大阪へ向かった。
春休みも終わり、ゴールデンウイークもまだ先という時期で良かったと夏子は思った。
何も考えていなかったが、帰省や観光で人がごった返す時期だと切符は取れない。
それ以前に、カフェの方も忙しいので、休みなど取れないのだけれど。
新幹線に乗るのはいつぶりだろうか。
昔より、更に早くなったはずだが、全然早く感じないくらい、夏子は焦っていた。