マーメイドの恋[完結]

伊原の勧めてくれたのは、ギムレットというジンをライムジュースで割ったカクテルだった。


それらを飲みながら桃乃と話をした。
しかし、伊原が聞いてると思うと、思いっきり話ができなかった。


「あのね。伊原先輩と私の彼が友達なのよ。ここにも彼氏とよく来るの。そしたら伊原先輩がナツに会いたいって言うからさ」


「おいモモ、また余計なことを言う」


それから桃乃は、彼氏の話ばかりしてすぐにまた彼氏に会いたくなったのか、彼氏に迎えに来てもらうと言い出した。
相変わらず彼氏のことしか考えていないのだなと、夏子は呆れた。


「先輩。ナツを送ってあげてね」


「私はタクシーで帰るからいいわよ」


伊原に送ってもらったら、どんなことになるかと怖かった。





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