マーメイドの恋[完結]
「怪しいものではありませんので。僕も南木海岸をよく走ったりしてるんです。あの近くに住んでるので。今忙しいんですか?」
「家に帰るだけですよ」
「家って、あの海岸の近くですよね?ここから歩いて帰るんですか?」
「そうですけど」
「まさか。無理ですよ。良かったら送って行きますよ」
ーナンパなの?それともストーカー?私よりずいぶん若いのにー
「歩きたいんです私」
「しつこくてすみません。あの、僕、いつもあなたのことみかけてて、いつか声をかけてみたいと思っていたんです。少し話せませんか?」
「何を話すんですか」
「ハッキリ言います。俺はあなたのことが好きになりました。少しだけ話を聞いて下さい」
ーまた私を騙す男が現れたわー