重奏 ‐アンサンブル‐
十重奏 ‐デクテット‐
月が綺麗な円となる満月の夜の屯所前。
「一人残らず制圧しろ。」
「んなもん、言われなくても分かってますよ。では、行ってきます。」
「うむ。気を付けてな。」
近藤と土方に見送られながら、沖田を初めとした隊士達が討ち入りへと出発した。
見送った後、近藤は山南と打ち合わせ、土方は自分の部屋へ戻る。
「!」
書類を片付けていると、月明かりが遮られる。
見ると背にした入り口の障子には一つの人影が映っていた。
「(山南さんの言う通りだな。しかし、一人だけとは俺もナメられたもんだ。)」
土方は、山南からオラシアの件を聞いていたので心の準備は出来ていた。
刀に手を伸ばし、臨戦態勢をとる。
「誰だ。」
殺気を込めながら問い掛けると、静かに障子が開いた。
「一人残らず制圧しろ。」
「んなもん、言われなくても分かってますよ。では、行ってきます。」
「うむ。気を付けてな。」
近藤と土方に見送られながら、沖田を初めとした隊士達が討ち入りへと出発した。
見送った後、近藤は山南と打ち合わせ、土方は自分の部屋へ戻る。
「!」
書類を片付けていると、月明かりが遮られる。
見ると背にした入り口の障子には一つの人影が映っていた。
「(山南さんの言う通りだな。しかし、一人だけとは俺もナメられたもんだ。)」
土方は、山南からオラシアの件を聞いていたので心の準備は出来ていた。
刀に手を伸ばし、臨戦態勢をとる。
「誰だ。」
殺気を込めながら問い掛けると、静かに障子が開いた。