重奏 ‐アンサンブル‐
「潜入役とはいえドールに感情など、やはり不要であった。完璧に仕事を遂行出来ないお前に、もう価値などない。」



復讐心という感情に突き動かされていた菖は、この場にいるドール達の様に『完全な殺戮人形』にはなれなかった。


鞍雀はそれを見抜き、菖を新撰組もろとも葬り去る計画に変更したのだ。

だてに監査役ではないということか。



「遊びは終わりだ。新撰組と共にこの場で果てろ。お前達、全員消せ。」



「「「御意。」」」



鞍雀の命に、今までの違いあしらう感じは消えドール達の攻撃に勢いが増す。



「ちっ――……」



新撰組は勿論だが、手負いの菖に攻撃が特に集中し動く度に服に血が滲んでいく。


そんな菖に、土方は動かなくていいように菖とドール達の間合いに入り攻撃を受け流す。
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