重奏 ‐アンサンブル‐
「くそっ……」



まるで疲れを知らないドール達に、新撰組の面々も菖を庇いながら戦う土方も傷を負った菖も息が切れてきた。


鍛練を積んだ新撰組でさえ防戦一方で決着が一向に着かない。

これでは消耗戦だ。



「(このままじゃ……)」


「菖っっ!!!」



一瞬考えた隙を突かれドール達が菖に攻め込む。



カン、カラン、カララ……

「くっ―――――……」


「!!!」


「土方さん!!」



咄嗟に菖を庇った土方は、刀が間に合わず右腕を斬られ刀を落としてしまう。



すかさずドールが土方目掛けて斬り込んで来たので沖田が応戦する。



「心配ない、構うな!」



2人を庇いながら戦う余裕はないはず。

そう考え叫んだ土方は、血に染まった手で刀を握り直し立ち上がる。
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