重奏 ‐アンサンブル‐
「そうか、失敗したか。それは残念だ。レイスには期待していたんだがね。」
そう言う男だが、表情は全く残念そうではない。
むしろ楽しそうに微笑んでいる。
「クライアントにはどのように報告を致しますか?」
「出来損ないが失礼した。次はもう少し楽しんで頂ける様に嗜好を凝らそう。そう伝えておいてくれ。」
「かしこまりました。新撰組の方はいかが致しましょう。」
「処理は新撰組がしたのだろう。暗殺者を自ら招いたなどと失態を外に漏らすような真似はしないだろう。放っておいてかまわない。」
「かしこまりました。」
報告が終わるとメイドは一礼して下がる。
部屋には男一人になり、再び音楽に乗る。
「復讐心というものに期待していたんだがね。上手くいかないものだ。」
皆様、もうお気付きだろう。
独り言を呟くこの男こそ、オラシアでマスターと呼ばれている人物その人である。
そう言う男だが、表情は全く残念そうではない。
むしろ楽しそうに微笑んでいる。
「クライアントにはどのように報告を致しますか?」
「出来損ないが失礼した。次はもう少し楽しんで頂ける様に嗜好を凝らそう。そう伝えておいてくれ。」
「かしこまりました。新撰組の方はいかが致しましょう。」
「処理は新撰組がしたのだろう。暗殺者を自ら招いたなどと失態を外に漏らすような真似はしないだろう。放っておいてかまわない。」
「かしこまりました。」
報告が終わるとメイドは一礼して下がる。
部屋には男一人になり、再び音楽に乗る。
「復讐心というものに期待していたんだがね。上手くいかないものだ。」
皆様、もうお気付きだろう。
独り言を呟くこの男こそ、オラシアでマスターと呼ばれている人物その人である。