Sun time
陽葵、日向。
頭の中でグルグルとその名前が頭で周り続ける。
「陽葵さんと日向さんって先生の知り合いなんですか?」
「陽葵ちゃんと同級生だったのよ。」
「陽葵さんと日向さんって今は…?」
一瞬にして斎藤先生の顏が曇った。
「事件があってね…陽葵ちゃん…」
先生は唾を飲み込み一息置いて言った。
「…殺されたの…。」
その場の空気が凍りつく。
それと同時に
ズキン…
胸が痛い…鋭い何かで切られたかのような痛みが私を襲った。
「ひ、日向さんの方は…?」
先生は首を横に振る。
「そのあと自殺したの…」
私は息を飲んだ。
つま先が冷たい。身体がうまく動かない。歯がガチガチと音をたてる。
「その陽葵さんのお姉さんも
その殺した陽葵ちゃんと同い年の女の子もね、崖から落ちて亡くなったの。
あと陽葵ちゃんのことが好きだった男の子も同じように崖から落ちて行ったの。
5人も…一斉に亡くなってしまった…。
あの子達は……」
先生は声を震わせた。
昔のことにできていない様子だった。
もしかしたら、先生もその亡くなった5人の人達と仲が良かったのかもしれない。
先生の目は水分をふくんでいる。
泣くのを我慢しているようにも見えた。
そんな、先生に対して私はなんて言葉をかけていいかわからなかった。
冷たい沈黙が続いた。
そんな沈黙を破ったのは
キーンコーンカーン…
チャイムだった。