Sun time
自分でもおかしいと思う。
一目見ただけの人を嫌いだなんて。
何か胸の奥の方がギューっと縛られたような感覚。
吐き気がする。
わけがわからないよ。
ただ、彼女を見る視線にどうしても怒りが混ざってしまう。
何に腹が立っているかもわからない。
たまに自分が怖くなる。
たまに…本当にたまにだけど、
美琴が心配で心配で仕方なくなる時がある。
もし美琴を助けられるなら私は死んだって構わないって思うんだ。
家族にでさえそんな感情は湧かない。
そんな、自分がどうしても分からない。
ガラガラ…
教室のドアが開く。
美琴が入ってきた。
いつものように笑顔で先生に挨拶をする。
美琴はまだ気がついていないかもしれない。
美琴の隣にきた彼女のことを。
私はすぐに気がついた彼女が美琴のことをずっと目で追っていることを。
しかも、観察するかのように美琴の姿をまじまじと見る。
見ているだけじゃないか。
なんでこんなに不安になるのだろう…。
怖くて不安でたまらない…。
美琴…‼︎心中で美琴名前を何度も呼んだ。
自分の感情を押し殺すように制服のブラウスの裾をギュッと握った。