Sun time
美琴の何かが被った。
何が被るのかはわからない。
本当に私疲れてるな…。
今日は早く寝よう。
*
教室に戻ると美琴の姿はなかった。
どうしよう…。美琴…。美琴…美琴‼︎
あいつもいない…。成瀬真子…。
私の頭には美琴のことと成瀬真子のことしかなかった。
キーンコーンカーン
授業の始まりのチャイムがなっても帰ってこない。
ガラガラ…
教室のドアの開く音…。
美琴‼︎
帰ってきたのは成瀬真子1人。
「真子ちゃん…美琴はどこかなぁ?」
今できる一番の笑顔で私は言った。
「え?美琴ちゃん?倒れちゃったからお兄ちゃんと私で保健室に運んであげたんです!」
「た、倒れたって…どういうこと!?
あんた美琴になんかしたの?」
焦っている私を嘲笑うかのように彼女は目を細めた。
「やだなぁ〜。何もしてないよ?
なんで、そんなに美琴ちゃんが大事?
そんなに美琴ちゃんと私を二人にしたくないのかなぁ〜?」
ねっとりとした口調で私に問う。
この笑みを見るのは初めてではない。
きっと……もっと前にも…。
「早く思い出して下さいね。
私たちの"来世"での約束が果たせないですからね。
しかもまだ出会っていない人もいますし。
はぁ…ちゃんと思い出したのは私だけみたいですね。」
「な、なんのこと…?」
彼女は妖艶の笑み浮かべて一言言った。あの…怖いくらい美しいあの表情で。
「今度は渡しませんから。」
私はまた深く深く沈んでいく。
美琴…いや…陽葵、私が助けるよ。